非日常

 深夜2時、電話が鳴った。非常識もいいところで、くだらない電話だったら怒鳴ってやろうと思って受話器を取った。


 「俺、○○(兄貴の名前)だけど、事故起こした」


 …!
 こ、これは…!!「俺俺詐欺」ー!!?
 心なしかうちの兄貴と違う声が聞こえて来るぞおい。
 …まぁ、もし本当だったらヤバイので、本人かどうか確認するためにあれこれ質問してみようと。誕生日とかだと、普通に漏れてるかもなぁ…と思いつつ、とっさのことなので良い質問が思い浮かばない。とりあえず、名前・住所・年齢を確認したら、詰まることなくあっさり答えてくる。他に質問…質問…しつ…あー、なんか本物ぽいし、もうめんどくさいから親父にタッチ。
 というわけで、今も隣で話し合ってます。やっぱり本人だったようです。この前事故目撃したと思ったら、今度は身内が事故か。今度は俺か?…しゃれになりませんから!
 しっかし、聞き慣れた声でも電話口だと別人の声に聞こえるもんですね。俺俺詐欺恐ろしい。


 いちばん大事なこと書き忘れたけれど、兄貴も被害者の方も怪我は浅いようです。その点は安心。